たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
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2019年02月06日(水)

働きたいママにスポットライトを。「潜在的労働力」を発掘せよ むくぎ太一(椋木太一)

 こんにちは、広島市議会選挙に安佐南区から立候補予定のむくぎ太一(椋木太一)です。

 近年、人手不足が叫ばれています。特に、東京を中心とした都市圏では深刻な問題とされています。私が2000年3月に大学を卒業した当時、新卒者の就職内定率や有効求人倍率は悲惨なものでした。「超就職氷河期」と言われた時代です。ロストジェネレーションです。金融機関がバタバタと倒れ、採用の大幅縮小・中止の企業も多く、会社説明会に参加申し込みする時点で「ふるい落とし」があったほどでした。当時を思い起こすと、現在の人手不足は隔日の感があります。

 昔話はさておき、人手不足だと言われる一方、労働意欲がありながら就労機会に恵まれない「潜在的労働力(潜在的人材)」が数多くいます。

 そもそも、「潜在的労働力」とはなにか?国勢調査などでの「労働力人口」の数は統計上、15歳以上で就職・休業中であったり求職中(完全失業者)であったりする「労働力」とそれ以外の「非労働力」に大別されます。「非労働力」は主に、主婦・主夫ら家事に就いている人たちやアルバイトなどをしていない学生たちです。「潜在的労働力」は、このうち、「非労働力」における就労希望者になります。

 総務省などによると、潜在的労働力は2013年で428万人。うち、女性が315万人と約74%を占めます。就業できていない理由で一番多いのが「出産・育児のため」で105万人、次が「適当な仕事がありそうにない」で97万人、「健康上の理由」で38万人と続きます。つまり、子育てをしている母親(主婦)の多くが、働く意欲がありながら、「マッチした仕事がない」「経験を活かせる仕事がみつかりにくい」と理由から、働く機会を得られない、そもそも、労働市場に参加すらしなくなるという状況が浮き彫りになっているのです。

 どうしてここまで私、椋木太一が「潜在的労働力」の発掘について力説するかと言いますと、立候補を予定している地元の広島市安佐南区において、子育て世代の母親たちを中心に「働きたい」という声を聞いているからです。哲学者・アリストテレスによると、「人間は社会的動物」です。社会は人を必要としますし、人も社会を必要とします。自己実現や承認欲求もあります。生活費を稼ぐという現実的な目的も大いにあるでしょうが、人が働きたいと思う気持ちはそうしたいわば、本能的な部分の表れでもあると思います。住民たちのそうした「意欲」が行き場を失っているということは、社会的に大きな損失といえます。皆様の声を政策に反映することこそ、政治家の役目だと思うからです。さらには、広島市安佐南区では特に若い世代が多く、小・中学校に入学して母親自身にある程度、自分の時間が持てるようになって「外に出て働きたい」と思う世代が多くいるからこそ、一層、力が入るのです。
 
 子育て真っ最中の方々が多い、30代後半から40代前半の世代は特に、前述の「就職氷河期」に直面した世代です。極端に新卒の採用者数が圧縮されており、企業の中核を担うはずの世代の人数が前後の世代に比べて少ないのが現状だと思います。この世代は20代と比べて比較的母数も多いのが特徴です。この世代を中心に潜在的労働力を掘り起こすことが、人手不足にはうってつけだと思いますし、将来的な国の社会保障設計上も有用だと思われます。

 ところで、潜在的労働力の発掘に関して、おもしろい取り組みをされているNPO法人があります。私が読売新聞記者時代、子育て世代の母親を中心とした潜在的労働力と、そういった人材を求めている企業とをマッチングする試みなどをしているNPO法人「ママワーク研究所」(田中彩代表)を取材させていただきました。事務や秘書、営業など様々な職務経験を持ち、就業意欲がありながら、ブランクなどから一歩を踏み出せなかったり自分の経験を活かせる企業・職場を見つけられなかったりしている母親たちと、即戦力を求める企業が「出会う」機会を提供しています。「ママドラフト会議Ⓡ」と銘打ち、山口百恵や桜田淳子らがデビューするきっかけとなった、かつての人気テレビ番組、「スター誕生」(スタ誕)をほうふつさせる演出で、福岡を中心に行われています。実際、この取り組みが縁で再就職したというケースは多々ありました。

このような取り組みは、民間レベルでは各地で行われているかもしれません。とはいえ、こうした動きの趣旨は、潜在的労働力の発掘を啓もうすることにありますので、草の根活動で潜在的労働力を減少させていくことには人的にも資金的にも限りがあります。ですから、広島市を含め、全国的な取り組みとして潜在的労働力の発掘、活用に取り組んでいかなければならないのです。

椋木太一

ママドラフト会議Ⓡ(「ママワーク研究所」ホームページより)