広島県「40万人大規模PCR検査」実施方針 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
広島県は「80万人大規模PCR検査」で懲りず、今度は、広島市内の事業所を対象にした「40万人大規模PCR検査」を行う計画があるのだという。
PCR検査は、その時点でのウイルスの曝露状態(ウイルスにさらされているかどうか)を示すもので、あくまで、時間を「点」でしか捉えられない。平たく言えば、検査キットにつばを入れた後にウイルスが体内に入ってきても、そのキットでの検査結果は「陰性」となるということになる。このように、過去の曝露状態を知ることしかできないPCR検査の特性上、5月10日から18日間もかけ、しかも、1回限りの検査を行ったところで、新型コロナウイルス感染症の拡大抑止効果など期待できるはずもない。
しかも、「感染」(あくまで、陽性反応が確認された状態=ここ重要)が拡大してきたという状態での実施方針表明だ。広島県は、感染拡大抑止を目的に薬局などを通じて検査キットを大放出し、「無料」でPCR検査を受けられる状態にしている。にも関わらず、広島市内で「感染」が拡大しているというということは、広島県の狙いとは逆に、PCR検査は感染拡大抑止に効果はないと立証したことになるのではないか。
新型コロナウイルス感染症の拡大から1年あまり。以上述べたことは、たいていの方は理解し、いわば、「常識化」してきていることだと思う。だからこそ、「80万人大規模PCR検査」は「試行」に形を変え、6000人程度しか応じなかったのだ。
「40万人大規模PCR検査」を実施するか否かの最終的な判断は、連休明けの5月6日になるという。ここまでPCR検査にこだわる理由は一体、何なのか――。そんなにPCR検査をしたいのなら、まず、県職員全員を対象に行って、効果を立証してから県民を対象に行っていただきたい。