たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
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2022年01月27日(木)

おしえて”新解”さん! 第2話「遺憾」って? 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)

【おしえて”新解”さん! 第2話「遺憾」って?】

今年に入り、北朝鮮が盛んに飛翔体(ミサイル)を飛ばしています。本日1月27日には、今年6回目となる発射を行いました。

こうした緊急事態に際し、首相をはじめとする政府高官が談話を発表します。そこで使われる代表的な言葉に「遺憾」(いかん)があります。「たいへん遺憾に思う」などという言い回しを耳にしたことがあると思います。

では、この言葉には、どういう意味が込められているのでしょうか?"新解"さんこと、「新明解国語辞典」(三省堂)に登場していただきます。


いかん【遺憾】十分な結果が得られず、心残りがする様子。(A)釈明(B)軽い非難の意を表明する


ミサイル発射に対するコメントですので、(B)「軽い非難の意を表明する」という意味で使っているのだと思います。ただ、明らかに我が国に向けられた発射であり、領土は射程でもありますから、「軽い非難」というのは頼りないと感じてしまいます。

漢和辞典も見てみましょう。「遺憾」の「遺」は、<のこる>ことを表しています。遺言や遺跡がイメージしやすい単語でしょう。次に「憾」ですが、<恨み><心残りに思う気持ち><残念に思う>という意味があるようです。

これらの意味から「遺憾」を意訳すると、「ずっと恨む」「心残りになる」「ずっと残念に思う」といったことになります。
「たいへん遺憾に思う」は、<いかん>という語感から、強い自己主張のように聞こえますが、言葉や文字本来の意味からすると、相手にはほとんど何も言っていないことになります。

つまり、嫌なことをされても、「ずっと恨んでやる」だとか、「(君とは仲良くやれると思っていたのに)とても残念だ」などとブツブツ言っているニュアンスに近く、こうしたことから、日本政府の姿勢がどういったものか、お分かりいただけると思います。

政治家の言葉はとても大切です。通り一遍ではなく、魂のこもった言葉で意思表示していきたいと思います。

おしえて明解さん「遺憾」