まん延防止等重点措置よりも「コロナ5類以下」を 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
【広島県コロナ(1月24~29日分) 無症状・軽症が97.79%】
「まん延防止等重点措置」が1月9日に広島県内13市町(広島市、呉市、福山市など)で適用され、1月30日で3週間となります。この間、1月14日に適用区域が県内全域に拡大され、さらに、1月25日には2月20日までの適用延長が決まりました。
「まん延防止等重点措置」によって、様々な現場に支障が出ています。教育現場では休校・学級閉鎖、行事の中止などが相次いでいます。地元の祇園小学校では毎年この時期に、3年生対象の「消防教室」を開いていますが、今年度の開催中止が余儀なくされました。
1日1日、成長を遂げる児童・生徒にとって、こうした"空白"は大きなダメージとなります。教育は国家の根幹をなすものです。日本の将来を見据えた時、計り知れない損失となってしまうと危惧しています。
このようなことは、「オミクロン株」の特性を無視し、これまでの2年間と同じような対策を続けているからだと考えます。報道も同様で、依然、日々の感染者(陽性者)の数が躍るだけで、数字が持つ意味を解くことはほとんどありません。「まん延防止等重点措置」の効果などを読み解き、新たな方向性を示すことも報道の使命の一つと考えますが、「コロナ禍」と称した混乱をメシのタネに楽しんでいるかのようにしか見えず、元新聞記者としてはやりきれない気持ちになります。
「まん延防止等重点措置」の適用直前の1月7日からの1週間(1月7~13日)と、適用延長を要請した1月24日から29日までの6日間の数字を掲載します。現状はどういうものなのか、ご覧いただけたらと思います。
上述のとおり、新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが現状と乖離し、あまりにも過剰ゆえ、社会を痛めつけていることが実感できると思います。
◎広島県全体の陽性者数、症状別割合等(1月24~29日)
県全体の陽性者数 7863人
・無症状 1038人(13.20%)
・軽症 6652人(84.59%)
・中等症 50人(0.635%)
・重症 3人(0.038%)
・調査中 120人(1.52%)
☆無症状+軽症=7690人(97.79%)
※参考 陽性者に占める濃厚接触者
広島県(広島市、呉市、三原市を除く)の陽性者
2121人のうち884人(41.67%)
◎広島県全体の陽性者数、症状別割合等(1月7~13日)
県の陽性者数4050人
注)この期間は、福山市が軽症・中等症を区別せず発表していたため、同市の軽症・中等症(計262人)を除いた数字となります
・無症状 481人(11.87%)
・軽症 3535人(87.30%)
・中等症 25人(0.691%)
・重症 1人(0.024%)
・調査中 5人(0.123%)
☆無症状+軽症=4016人(99.16%)
<結論>
季節性インフルエンザなどと同じ「5類」以下に引き下げることが、現実に即しているのです。
確かに、陽性者数は増えています。報道等が「感染力が強い」と強調するところです。しかし、症状別の割合はほとんど変化がなく、無症状と軽症で合わせて98%弱~99%となっています。軽症者の個別の症状を見てみますと、「発熱」「鼻水」「咽頭痛」などが多く見られます。
ところが、今更説明するまでもないですが、新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが2類相当の「新型インフルエンザ等感染症」のため、陽性者が1人出ると、積極的疫学調査によって芋づる式に濃厚接触者・陽性者が生み出されていきます。これらの陽性者は、無症状であっても入院勧告される仕組みとなっています。保健所がパンクし、救急搬送が滞る事態に陥るのは無理もありません。
また、「感染不安がある無症状者」(広島県)を対象にした無料PCRも併せて即刻、止めるべきです。PCR検査は持ち込まれた検体の遺伝子を調べているだけですから、結果が出た時点の状態が分かるわけではありません。検査の帰り道、コロナウイルスに「曝露」(のどや鼻にさらされること)すれば、後日届く「陰性」の結果など何の意味を持たないのです。むしろ、寒い中、行列に並ぶほうがよほど身体に負担をかけると思います。
また、原資は税金ですから"無料"でも何でもなく、ミスリードも甚だしいと言えます。後々、違う形(税金等)で徴収されるでしょう。タダより怖いものはないと言いますから。検査の処理に多くの人的資源も使いますし、百害あって一利無しなのです。
広島県内の陽性者の状況(むくぎ太一集計)