【広島サッカースタジアム吊り棒落下事故 原因報告】広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
【広島サッカースタジアム吊り棒落下事故 原因報告】
広島サッカースタジアムの旗掲揚用の吊り棒が落下した事故で、広島市は5月31日、落下原因などを公表しました。なお、吊り棒の装置は撤去し、スタジアムの別の場所に設置する予定です。
★基本構造
モーターで二つのドラムを回転させてワイヤーを巻き上げることで、吊り棒(旗)が上昇する仕組みとなっています。
★落下の経緯
①上昇中に突風が吹いて吊り棒が揺れ、同時にワイヤーにゆるみが生まれたことで、ワイヤーが適切にドラムに巻かれない状態(乱巻き)が発生<画像②>
②乱巻きになったことで、一定の高さでドラムを停止させる制御スイッチが作動せず、ワイヤーを巻き続ける「過巻き」が生じた<画像③>
③巻き続けたため負荷がかかり、ドラムとモーターの接続部が破断<画像④>
④ドラムとモーターの接続部が破断したことでドラムが空回りをはじめ、吊り棒とワイヤーが自重で落下開始<画像⑤>
⑤ワイヤーが全て送り出された後、吊り棒などの重さに耐えきれずドラムとワイヤーがちぎれ、スタジアム観客席に落ちた<画像⑥>
★落下の原因
①吊り棒上昇中に突風が吹いたこと
②突風を認識するための風速計等がなく運営スタッフが風速を把握できなかったこと
③乱巻き、過巻きが生じた際、モーターを停止させる機能がなかったこと
④ドラムとモーターの接続部の強度が不足していたこと
同じような機能の装置が他施設でも使われている可能性がありますので、同様の事故が繰り返されないよう、装置の有無や安全性など確認してもらっています。
広島サッカースタジアムの旗吊り棒落下事故の原因等
旗吊り棒の通常時の動き
落下事故時のイメージ
落下事故時のイメージ(過巻きとなり接続部が破断)
ドラムが空転し吊り棒とワイヤーが落ち始める
ワイヤーとドラムがちぎれて吊り棒とワイヤーが観客席に落下