【令和6年度平和記念式典】広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
【令和6年度平和記念式典】
広島市は8月6日、79回目の原爆の日を迎え、原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式(平和記念式典)が広島平和公園で挙行されました。
主催側の広島市議会員として、そして、被爆3世として、一発の原子爆弾で犠牲となられた無辜の市民に哀悼の意を捧げるとともに、世界の恒久平和を祈念いたしました。
ご存知の方も多いと思いますが、平和記念式典はこの10数年間、会場外での無軌道なデモなどにより静謐な環境が保てなくなっています。
今年は平和記念公園全体に入場規制をかけたり手荷物検査を実施したり、また、他県の警察からも多くの手を貸していただき、厳重な態勢で臨みました。
ところが、式典開催前から原爆ドーム前は左派デモ団体に占拠され騒乱状態となり、式典挙行中は黙とうが終わって以降、シュプレヒコールが会場まで届く有様でした。
左派デモ団体は「反戦・反核」を大義名分にし、「表現の自由」で式典中のこうした行為を正当化していますが、子ども代表による「平和の誓い」の最中も騒々しい状態が続き、子どもたちの思いを踏みにじりました。
子どもたちが式典で平和への思いを述べることは、「表現の自由」に他なりません。左派デモ団体が錦の御旗に掲げている「表現の自由」は、他者の権利を侵してまで一方的に保障されるものではありません。権利の行使は「公共の福祉」に反してはならないからです。
子ども代表を含めて、松井市長ら登壇者の発言は左派団体の騒音で妨害されていました。つまり、他者の権利を侵しているということで、まさに、左派デモ団体は”一線を越えた”と言ってもいいでしょう。
2019年11月、ローマ教皇が広島を訪れ、平和記念公園で「平和のための集い」が催されました。ピンと空気が張りつめ、辺りは静寂に包まれ、まさに、静謐な環境で挙行されたことは鮮明に記憶しています。
「平和のための集い」では、会場周辺を規制する趣旨の法令が用いられ、厳かな式典が開催できたということです。
海外の要人も参列するのですから、2019年の時と同じような態勢を構えることはできるはずです。来年は被爆80年の節目を迎えます。国内外から多くの参列者が集う中、これまでのような事態をさらすわけにはいきません。法令の適用をためらう余地は残されていないのです。
平和宣言をする松井一実市長
子ども代表による「平和の誓い」