たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
日々のできごとを
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2018年10月12日(金)

広島カープ3連覇!ホークスとの常勝軍団3つの共通点(言論プラットホーム「アゴラ」掲載記事)

こんばんは、2019年広島市議選(安佐南区)に出馬を目指しているむくぎ太一(椋木太一)です。
言論プラットホーム「アゴラ」に初めて、記事を書かせていただきました。これから、時折、筆をとってみたいと思います。
http://agora-web.jp/archives/2034969.html

以下、転載。
プロ野球の広島東洋カープがセ・リーグ3連覇を果たしました。これは、球団史上初の快挙でした。1991年のリーグ制覇から四半世紀にわたり、Aクラス(3位以上)入りすらおぼつかなかったチームが、これほどまで成長したことに驚きを隠せません。常勝軍団に変貌した要因はどこにあったのでしょうか?
私は、読売新聞社で福岡ソフトバンクホークスの担当記者をしていました。ホークスは今や、球界を代表する常勝軍団と言えます。しかし、福岡移転後のホークスは、1999年に初優勝するまで苦戦続きでした。同じような軌跡をたどる両チームですが、私はふと、ある共通点を見出しました。

それは、「野球偏差値の高さ」「凡事徹底」「勝利に貪欲なファンの存在」です。

まずは、「野球偏差値の高さ」ですが、ホークスの場合は、憎たらしいほどの「卒のなさ」に表れていました。無安打でまんまと1点取ってしまうのです。

例えば、こういうパターンです。「先頭打者が失策で出塁し、次打者の打席で2塁盗塁に成功。そして、2番打者が二塁ゴロで走者を三塁に進め、3番打者が犠牲フライで1点」。相手側からすると、すべて打ち取っているわけですから、相当、ストレスがたまる失点でしょう。

今季のカープでは、「野球偏差値の高さ」は、「つなぎの意識」として表れてきています。それを象徴するデータがいくつかあります。まずは、3番・丸佳浩選手の四球の多さです。今季、すでに125(9月29日現在)に上り、シーズンの歴代記録トップの王貞治(巨人)の158に迫る勢いです。丸選手の次に控えるのは、主砲で一発のある鈴木誠也選手ですので、バッテリーとしては、「丸との勝負を避けて…」などと悠長なことは考えていられません。ですから、丸選手とある程度勝負しつつも、丸選手は結果としてきちんと四球を選んでいるわけで、4番へつないで好機を広げていると言えます。

さらに特筆すべきは、チーム併殺打84がリーグ最少だということです。中でも、鈴木選手はわずか5です。走者がいれば、相手側はあの手この手でゲッツーを狙いにきます。その網をくぐり抜けるためには、相当の「野球脳」が求められます。出塁率が5割近い丸選手の後を打つだけに、走者がいる場面でいかに頭を使い、次打者につなげる打撃ができているかがうかがえます。

参考までに、リーグ最下位チームの中日の4番・ビシエド選手の併殺打はリーグ最多の24です。この差は、両チームの順位を反映しているといえるでしょう。

新井にみる「凡事徹底」

「凡事徹底」は、記録には表れにくいですが、一つ一つの積み重ねがシーズンを通して大きな差になって現れます。両チームは、ベテラン勢を見れば、その様子が分かります。

カープの42歳の新井貴浩選手はどんな凡打でも一塁へ全力疾走を欠かさないことで有名です。ホークス時代の小久保裕紀さんが、全力疾走を怠った若手選手をベンチで叱り飛ばしていた光景は今でも目に焼き付いています。

全力で入っていれば、相手の小さなミスでもセーフになる可能性が高まります。そうした全力疾走や、「進塁打」といった記録には出てきにくいが、勝つためには当たり前のプレーがいかに重要であるかを知っているからこそ、ベテランが「生きる教科書」として、チームを引っ張るのです。カープの総得点がリーグトップなことは、偶然ではないでしょう。

最後に、「勝利に貪欲なファンの存在」ですが、ホークスファンの頭の中には、とにかく「優勝」の二文字しかありません。そもそも、球団スローガンが「めざせ世界一」ですから、勝利に対しての意識の高さは凄まじいものがあります。リーグ優勝を逃した際、「V逸連載」を求められ、面食らった記憶があります。優勝を逃したことがニュースになるほど、優勝へのこだわりが強いのです。

カープも同様で、近年、クライマックスシリーズ(CS)進出どころか、優勝争いに加わることはもはや「当たり前」のこととして捉えているようです。数年前のように、いちいちCS進出決定がニュースにならなくなっていることが、その表れでしょう。「(旧)市民球場に赤とんぼが飛び始めたら今年も終わり」などと言われていましたのが懐かしいくらいです。

このようなファンからの「プレッシャー」を良い意味で力に変えて、常勝軍団への基盤にしているのではないでしょうか。過去2シーズンはリーグ優勝しながら、日本一の栄冠には手が届きませんでした。もう、リーグ優勝で満足できない今こそ、12球団の頂点を狙うチャンスといえるでしょう。