「9月入学」は非現実的。拙速な議論より、原状回復と授業再開へ注力すべきだ 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。
4月に一部の知事らによって「9月入学」が降ってわいたように飛び出しました。
文部科学省は5月15日、来年9月に入学を移行した場合、家庭が追加負担する費用は総額3.9兆円となる試算を明らかにしました。衆議院文科委員会での答弁で示しました。
新型コロナウイルスの影響で、家計はガタガタになっています。1人10万円の特別定額給付金を頼りにするような事態にあるというのに、一体、誰が好き好んで追加負担をするというのでしょうか?この負担は当然、子育て世代にのしかかります。教育費のかからない子どもがいない高齢者は支払うことはありません。「9月入学」を言い出したり、盛んにこの話題に乗ってくる人たち(主に政治家)は、「(子育てをしている若い人たちは)どうせ選挙に行かないから、負担が増えても大勢に影響はない」なんて高をくくっているようにしか思えません。
文科省も、こういう試算を出すのに時間を費やすのであれば、1日も早く授業を再開できる環境を整えることに時間と労力を全力で注ぐべきではないのでしょうか。多くの保護者や子どもたちはそう願っていますし、教育現場も「原状回復」に必死になっています。こうした現場感覚の欠如が、こんなドタバタしたタイミングでの空気を読まない、「9月入学」という提案をした一因だとも思います。
イメージ図