災害情報を「生きた」ものにするために 情報は生命・財産を守る第一歩 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。
熊本県を中心とした九州地区を襲った豪雨から10日が経過しました。梅雨が本格化する7月に入り、各地で豪雨災害が発生しています。
広島市でも雨が続き、災害情報が連日、発信されています。先日、こうした情報が「生きた情報」となるには、情報の受け手である住民の皆様に理解されるよう、分かりやすく発信することが求められていると改めて認識させられました。
広島市では7月6、7日に土砂災害警戒のため、安佐南区をはじめとした各区で避難所が開設されましたが、この避難情報に関するご質問・ご指摘をいただいたことがきっかけです。
それは、「避難所が開設されたエリアが何を示しているのか分かりづらい」というものでした。
広島市の避難情報は、テレビやネットでは、「○○」××××世帯と表示されます。「○○」が避難すべきエリア、××××が該当世帯数を表しています。
大前提として、「○○」は小学校区を表しています。しかし、画面上では「○○」が小学校区を表していることは認識しづらく、この前提を知らなければ、「○○」が住所表示だと誤認する可能性は十分にあります。
例えば、小学校名と住所表示が似ているケースです。小学校名が「山田」で、校区内の住所表示が「山田東」「山田西」であれば、「山田」の持つ意味が分かず、受け手は混乱することになります。自分の住所が「山田東」だから、「山田」には含まれないと判断してしまえば、本来避難しなければならない住民が逃げる機会を失いかねません。生命・財産を守るための情報提供が誤誘導することは絶対に避けなければなりません。
また、自分がどの小学校区なのか知らない人は少なくないでしょう。若い単身者や学齢期の子供のいない転勤族であれば、小学校区などほとんど意識することないでしょう。ですから、広島市が小学校区を避難情報のベースにしている以上、より分かりやすく丁寧に情報提供しなくてはならないのです。
住民への情報提供は、総務省の「Lアラート」(災害情報共有システム)によって行われています。都道府県や市区町村、中央省庁、インフラ会社など「情報発信者」による災害関連情報を収集し、テレビ・ラジオ局、新聞社、ネット配信業者など「情報伝達者」から住民に迅速かつ効率的に伝えるものです。この流れでは、情報を収集する部分が「Lアラート」の肝となっています。
避難情報もこの「Lアラート」によって、テレビやラジオ、スマホ(ネット)等のメディアを通じて配信されます。伝達手段が向上しても、受け手がその情報を理解できなければ何も意味がありません。情報が生かされ、住民の生命・財産が守られることが、情報発信の目的だからです。
ご質問・ご指摘を受け、市当局に投げかけました。「Lアラート」において、広島市は広島県と連携して情報提供していることから、今後は県とともに改善を図っていくということです。こうしたシステムは試行錯誤の上、より良いものにしていかなくてはなりません。それが、住民の生命・財産、安全・安心を守ることにつながるのです。
「Lアラート」のフロー