広島市議会12月定例会一般質問①「特別自治市」 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。
広島市議会12月定例会で、一般質問に立たせていただきました。昨年の6月、12月定例会での一般質問に続き、3度目の登壇となりました。
今回は、①「特別自治市」②新型コロナウイルス禍における広島市立学校の学習状況について③地域猫活動④児童相談所⑤町内会・自治会の加入促進ーーの5つのテーマで広島市当局の見解をうかがっています。
それぞれの質問項目の要旨と答弁を詳報します。ぜひご参考ください。
Q「特別自治市」について。新たな「大都市制度」である「特別自治市」を目指す広島市として、令和2年11月に行われた「大阪都構想」の住民投票が否決されたことを踏まえ、改めて、「特別自治市」への取り組みをどう進めていこうと考えているのか?
<原稿>
「大阪都構想」の賛否を問う住民投票を間近に控えていたこともあり、今年10月の決算特別委員会で「特別自治市」について、広島市の考えや取り組み状況をお聞きしました。そして、決算特別委員会後の11月1日、「大阪都構想」の住民投票が行われ、「大都市制度」を取り巻く環境が変化しつつあると考えますので、改めて、取り上げます。この住民投票はメディアで大きく取り上げられ、「大都市制度」のあり方について関心が高まったと思います。この住民投票を境に、横浜市や神戸市、政令都市市長会などが「特別自治市」への動きを活発化させています。
そもそも、「特別自治市」とは何か?地方が行う事務を一元的に政令市に移し、より効率的、柔軟に行政サービスが提供できるようにする制度と言えます。
メリットとして、無駄のない自治体運営が可能になることや、地域の実情に即した街づくりがしやすくなるといったことが挙げられます。広島市は、「特別自治市」を視野に入れ、「200万人広島都市圏構想」を掲げ、周辺自治体を巻き込むような諸施策を講じています。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、行政サービスは、より迅速に、より効果的に、地域の実情に適したものを提供しなくてはならないと痛感しています。
「あれは県、これは市、それは国」などと、行政サービスの窓口・管轄がバラバラなことで、最も不都合を受けるのは広島市民の皆様です。
住民目線で見たら、窓口・管轄が国か県か市といったことは、はっきり言ってどうでもいいことです。「住民第一」「住民ファースト」で考えた時、事務が一元化され、すっきり、スピーディーになることが求められているからこそ、「200万人広島都市圏構想」を起点とした「特別自治市」への道筋をつけなければならないと痛切に感じています。
とはいえ、「特別自治市」の道のりは、「険しい」の一言で済まされるレベルではないと承知しています。「特別自治市」を導入するには、法整備が必要不可欠ですが、そこまで至っていません。「特別自治市」の制度設計そのものも進んでおりません。さらには、20ある政令指定都市は人口や経済規模の違いがあり、各政令指定都市が制度導入に向けて歩調を合わせられると断言はできにくいのが現実だと思います。
一方で、「特別自治市」に向けて積極的だった横浜市や神戸市は住民投票後、さらにアグレッシブな動きをしています。広島市も、「大都市制度」「特別自治市」への関心が高まったことを契機に、流れをつかむべきなのです。
「住民第一」の視点で見た時、広島市も「特別自治市」に向けて、さらに一歩踏み出していただきたいというのが、切なる思いなのです。
A 広島市では、市民のまちづくりへの思いや行動を活かせる行政を実現していく上で、基礎自治体という市民に最も身近な存在がとりわけ重要であると考え、地方が行うべき事務を基礎自治体である政令都市に一元化し、大都市特有の課題や行政需要に対応できる「特別自治市」を目指しています。
このことを視野に入れつつ、急速な人口減少社会がもたらす様々な弊害などに対応するために、「200万人広島都市圏構想」を掲げ、現行制度の下で「連携中枢都市圏」制度を活用しながら、実施可能な方策を展開しています。
大阪都構想の住民投票の結果は、地方が行うべき事務の一元化のに担い手は、広域自治体よりも基礎自治体にその責務があることを明確にしたとも受け取れるものであり、「特別自治市」を目指すことの応援になると考えています。
今後、政令都市市長会では、新たに「特別自治市」制度の法制化に向けたプロジェクトを設置する予定で、広島市としても、この取り組みに参画するとともに、制度の実現に向けて、国などに働きかけていきたいと考えています。
一般質問するむくぎ太一