たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
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2020年12月09日(水)

広島市議会12月定例会一般質問⑤「地域コミュニティ」 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)

こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。

広島市議会12月定例会で一般質問をしました。昨年6月、12月定例会に続き3度目となる今回は、①「特別自治市」への取り組み②コロナ禍の市立学校の学習進捗状況③「地域猫活動」の改善案④児童相談所の夜間・休日体制の強化⑤町内会・自治会の加入促進――の5テーマを取り上げました。

そのうち、「町内会・自治会の加入促進」の質問要旨と広島市の答弁を詳報します。

<質問要旨>
町内会・自治会をはじめ、子ども会、老人クラブ、地区社会福祉協議会などの「地域コミュニティ」は、住民同士の交流を支え、住みやすい地域を作り上げるための要です。しかし、その機能の衰退、団体の弱体化は、久しく問題となっています。

その要因については、少子・高齢化や価値観の多様化、また、ライフスタイルの変化など、様々挙げられますが、その一つとして、若者の地域への愛着が薄れ、町内会・自治会をはじめとする「地域コミュニティ」に興味、関心を持たなくなったことが、大きな要因となっていると感じています。

現代社会では、生まれ育った土地にそのまま住み続ける人は少なくなっています。また、核家族化が進む中で、近隣に住む者同士のつながりも非常に希薄になっていると感じます。

そのような状況で、さらに、若者世代は仕事や子育てに忙しく、日々の生活に追われており、地域との関わりを持つような時間を確保することも難しいのは言うまでもありません。

私は、常々、地域コミュニティの入口は、町内会・自治会への加入だと指摘しています。若いうちから、まずは町内会・自治会に加入するところからはじめ、地域コミュニティとの関わりを少しずつ築いてほしいと考えています。

町内会・自治会が回覧板などで提供している地域情報には、地域団体や公民館が行う行事などの情報、ごみ収集等の生活情報、市や様々な関係機関からのお知らせなど、地域に密接した内容が盛り込まれています。まずは、このような地域情報に触れ、活動を知っていただくところからはじめ、参加できそうな親睦行事や祭りなどへの参加をきっかけに、少しでも、自分が住む地域に関心、愛着を感じてほしいのです。そして、いざ、日々の生活の中で時間に少しでも余裕が出たときに、地域活動に可能な範囲で参加、協力してもらいたいと考えています。

広島市においても、転入者に対し町内会・自治会への加入促進チラシを配布したり、小学生に対して町内会・自治会の活動について副読本を使った学習機会を設けたりするなど、様々な対策を行っています。こうした施策を踏まえて、これからは、より一歩踏み込んだ働きかけが必要になると感じています。

そのような中、本市の「三世代同居・近居支援事業」の存在を知りました。この事業では、親の世帯と同居又は近くに住んだ若者世帯へ引っ越し費用等を支援するもので、支援の要件として、町内会・自治会への加入があると聞きました。

Q(1)お聞きします。この事業の実施目的、また、この制度をきっかけに町内会・自治会に新たに加入した実績についてはどのようになっているでしょうか。また、この制度を利用した方は、町内会・自治会の加入についてどのような感想をお持ちでしょうか、教えてください。

この「三世代同居・近居支援事業」の利用実績は年間120件程度です。若者世帯全体の数から考えれば、非常に少なく感じられます。この事業・制度に対する潜在的な需要があると思っています。

Q(2)お聞きします。この「三世代同居・近居支援事業」の利用促進を図るため、どのような対策を行おうと考えているのか、お答えください。

また、この制度は、あくまで親世帯との同居または近居する若者世代への働きかけであり、その効果は限定的だと思います。広島市の町内会・自治会の加入率は10年前に65.6%だったのが、今年は56.0%と9.6%低くなっています。そこで、若者世代をはじめ、未加入の市民に対し、全体的にアピールできるような、町内会・自治会への加入促進策を検討することも必要な時期に差し掛かっていると考えています。

Q(3)今後、広島市として、町内会・自治会についてどのように認識されており、未加入の市民の町内会・自治会への加入促進についてどのように進めていくつもりか、お答えください。

<答弁要旨>
(1)(2)本事業の目的は、世代間の子育てや介護などの支えあいを促進するとともに、地域コミュニティの次代の担い手を確保することにあります。小学生以下の子どもがいる世帯が、親元近くに住み替えて同居・近居する場合、引っ越し費用などを10万円を上限にその2分の1を負担する制度です。本制度利用者の71%がこの制度をきっかけに町内会・自治会に加入しています。また、利用者のアンケートによりますと、「町内会について知る機会を得られた」「住民と出会うきっかけになった」と肯定的な回答を得ています。今後も効果的に周知できる方策を検討します。

(3)町内会・自治会は、地域における住民自治を支える中心的な存在として重要な役割を果たすものです。しかし、少子高齢化や価値観の多様化などにより、町内会・自治会の担い手不足など存続を脅かす問題が深刻になっています。こうした状況を放置することは、地域コミュニティの崩壊を招きます。広島市では現在、「地域コミュニティ活性化ビジョン」の策定を進めています。町内会・自治会への加入促進も同時並行でやっていきます。

一般質問するむくぎ太一