おしえて”新解”さん! 「聞く」と「聴く」 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)
【おしえて”新解”さん! 「聞く」と「聴く」】
新聞記者にとって、ペンやカメラ、パソコンや名刺は、取材に欠かせない「七つ道具」です。このほか、ICレコーダーや野球の取材現場では黒・青・赤の三色ボールペンなどがあります。
また、用字用語のハンドブックというものがあります。間違いやすいひらがな表記(いづれ、いずれ、1人づつ、1人ずつ)や使用禁止語、要言い換え語(私の記者時代では、「ダイバーシティ→多様性」など)、正式名称や略語などが事細かに書かれています。
各社のハンドブックで紙幅を割いているのは漢字の使い分けです。代表的なところでは、「制作」「製作」や「態勢」「体勢」でしょう。どちらが適当か、いまだに頭を悩ませます。
上記のほか、「聞く」と「聴く」は、新聞ではかなりきっちり使い分けがされています。せっかくですので、"新解さん"こと「新明解国語辞典」(三省堂)に教えてもらいました。
き・く【聞く】①音や声を耳で感じる(知る)。②聞いた内容を理解して、それに応じる③尋ねる。問う。〔②は「聴く」、③は「訊く」とも書く〕
新解さん的には、「聞く」は受動的、「聴く」は能動的なニュアンスを含んでいるようです。その違いは、側聞(そくぶん)、傾聴(けいちょう)という言葉に表れています。実際、紙面上もそのような意味合いで使い分けていました。
2020年1月15日夜、国内で1例目の新型コロナウイルス患者が確認されて2年が経とうとしています。まだトンネルから出られそうもありません。国民や市民の皆様の思いや悩みをくみ取り、問題解決を図るべく、ただ声を"聞く"のではなく、声を"聴ける"政治家でありたいものです。
新明解国語辞典の聞く