たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
日々のできごとを
ホンネでつぶやきます

2024年02月20日(火)

【広島市議会 総括質問①「平和行政のあり方」質問全文&答弁骨子】広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)

広島市議会2月定例会の総括質問「平和行政のあり方」の全文です。

「平和行政のあり方」
自由民主党・市民クラブの椋木太一です。会派を代表して総括質問をします。
皆様、ご清聴、よろしくお願いいたします。
それでは、発言通告に従い、4つの項目で質問させていただきます。

項目に共通する思いは、人口流出や少子化といった、「人口減少時代」という転換期を迎えるにあたり、広島市ならびに、広島都市圏の将来像、指針を示すことにあります。

また、過去や現在を否定する趣旨ではなく、今後、50年、100年先を見据えた上での発言ということを踏まえ、お聞きください。

さて、総務省が1月30日に公表した2023年の人口移動報告によると、広島県が転出人口で3年連続全国ワースト1位となりました。

ヤフーニュースのコメントでは、転出人口が多い要因として、「広島大学が広島市外に移転したこと」「広島空港が広島市外に移転したこと」「就職先が少ないこと」が多く見られました。他のSNSでも、同じような傾向でした。

中でも、目を引いたのは、「平和ばかりで若者への投資が少ない」「平和=原爆」というコメントです。
人口移動報告は、全国20の政令市の数字も出ており、広島市は神戸市に次いで、2年連続のワースト2位でした。報道では広島県のワースト1位がクローズアップされ、広島市はほとんど取り上げられていませんが、広島市政に関わる者として、切実な問題として受け止めなければならないと認識しています。

先のコメントは、「若者世代の流出が多い」という記事に付いたものですので、若い世代が広島市の将来を悲観的に見ているのではないかと危機感を抱かざるを得ません。

広島市政に関わる立場からすると、とても耳の痛いコメントばかりですが、「言われるうちが華」ともいいますし、広島市が生まれ変わる「ラストチャンス」という覚悟で真摯に受け止め、この場で申し上げているのです。

前置きが大変長くなりました。

さて、「平和行政にあり方」についてです。2025年に被爆80年の節目を迎えます。先のコメントにもありますように、これまでの平和行政も転換が求められているのです。「平和=原爆」は、1945年8月6日だけにクローズアップするのではなく、「より多面的な平和があってしかるべきだ」という投げかけともいえます。

確かに、「平和」に関する報道や施策などを見ますと、多くの方が指摘するように、ほぼ、原爆・被爆に集約、収束します。そこには、特定の被爆者団体が登場し、何らかのメッセージを発します。これが、一つの「パッケージ」となっています。

「平和=原爆」「平和ばかり」というコメントが多数寄せられていることは、被爆から数十年間、こうした「平和パッケージ」が絶対的な存在として、異論を許さないような空気感が醸成されていることの裏返しだと思うのです。

昨今、「多様性」という言葉をよく耳にしますが、「平和パッケージ」以外は、異論は許さないという状況には、違和感を覚えざるを得ません。今回、多くのコメントが寄せられていますが、多くの広島市民は口に出さないだけで、とうの昔から、このことに気づき、複雑な思い、もやもやした思いを抱き続けているのです。8月6日の平和記念式典の挙行時に、デモ団体の騒音で多くの方々が不快に感じ、また、主義・主張の場として利用してほしくないと願っているのと同じことなのです。

従来の「広島市の平和」は、これまで述べたように、一部の被爆者による、一部の被爆者のための、いわば、かぎかっこ付きの平和、または、平和の名のもと、政治利用されているという側面が大きすぎると、多くの方々には映っているわけで、「平和=原爆」「平和ばっかり」と言うコメントは、こうした状況を凝縮し、端的に表現しているのです。

これは、真正面から受け止めなければならない課題ですし、ここから目を背けていては、ますます、若い世代を中心に愛想をつかされてしまうでしょう。それは、被爆3世としても本意ではありません。なにより、大多数の一般的な被爆者、犠牲者の皆様に顔向けができません。

被爆80年という節目は、未来志向の平和行政への転換を望む好機であると捉えています。未来志向というのは、広島市が被爆から復興したということを内外に発信することだと思います。広島市が繫栄し、これからも成長を続けていくという姿を見せることが、人々に人間の力、何より、繁栄の前提である平和の重要性を認識していただけるのではないかと思うのです。

Qそこでお伺いいたします。被爆80年を節目に、これまで申し上げたような未来志向の平和行政に転換を図るべきだと思いますが、広島市はどうお考えかお聞かせください。

答弁のアウトライン
本市が目指す平和行政については、被爆者の「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」という普遍的・人道的なメッセージを原点に、人類史上最初の被爆の惨禍を経験した都市として、「ヒロシマの心」を世界中の市民社会に根付かせるべく、被爆の実相を「守り、広め、伝える」ための取組を進めているところです。

・また、世界中の都市が「平和」についての価値観を共有できるよう、「平和文化」を振興するための取組も進めているところであり、被爆80周年においては、「平和文化の振興」を柱の一つとして立てて、記念事業を実施することにしています。

・こうした取組については、被爆者の被爆体験や平和への思いを中心に据えながらも、今後は若い世代の主体的な取組や積極的な参画を促すことがますます重要になってきていると考えます。

・そこで、まずは広島の大学で学ぶ大学生や留学生等を対象に、被爆の実相に関する研修や資料の貸与等を行い、若者が主体的に「ヒロシマの心」を発信できるようにするとともに、「ヒロシマ平和学習受入プログラム」などの事業を拡充してきているところです。

・いずれにしても、本市としては、核兵器のない真に平和な世界の実現に向けて前進するために、世界中の平和を愛する人々の公正と信義を信頼し、安全と生存を保持するという考え方に立って、未来志向でこうした取組を進めていきたいと考えています。