たいちの徒然日記たいちの徒然日記

元新聞記者むくぎ太一が
日々のできごとを
ホンネでつぶやきます

2020年05月11日(月)

広島港に3か月近く停泊しているクルーズ船について 広島市議会議員・むくぎ太一(椋木太一)

こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大型クルーズ船を含む大型船における感染症対策の重要性、関心がともに高まっています。2~3月に横浜港に停泊した「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が発生したこと、修繕のため長崎港に停泊中の「コスタ・アトランチカ」で4月に集団感染が起きたことが一因だと思います。

実は、世界一周の船旅の「ピースボート」のクルーズ船「オーシャンドリーム」(3万5265トン、乗員約100人)が、上記2船と同時期に広島市南区の広島港に停泊しており、広島県民、市民の皆様から「こんな時にクルーズ船がどうして広島に?」「あの船はいつまでおるの?」「どかしてほしい」といったご質問やご要望をいただいております。

「オーシャンドリーム」が広島港に停泊にする至った経緯や、新型コロナウイルスへの対応など、県民、市民の皆様が特にご心配、ご不明な点を、港湾管理者である広島県への取材などを基に「Q&A」形式でご報告いたします。

Q1:オーシャンドリームが広島港にきた経緯は?
A:「オーシャンドリーム」はオセアニアを周遊後、2月15日に横浜港で検疫を済ませ、同港と神戸港で乗客が全員下船し、クルーズの行程を終えました。その後、中国(浙江省・舟山市)で修繕予定も、中国政府が入港をストップしたことなどからドック入りできず、待機するため2月20日に広島港(五日市)に入港、同月22日に宇品外貨埠頭に移動したということです。

Q2 なぜ広島港だったのか?
A 「ピースボート」は広島市でも活動しており、「オーシャンドリーム」は広島港への寄港実績があります。また、広島港は神戸港から中国への航路にあることなどから、広島港を選んだと思われます。

Q3 乗員の新型コロナウイルス感染防止対策はどうなっているのか?
A 日々、検温を行い、船医も同行した上で健康管理を行っています。また、「オーシャンドリーム」の代理店(※1)は、4月4日以降、乗員の上陸を停止しているといいます。4月23日まで、乗員の発熱はないということです。

Q4 乗員の乗り降りの管理はどうなっているのか?
A 船舶の安全確保を目的とする国際条約(ソーラス条約)に基づき、外船舶と港湾施設は厳重に管理されています。この条約よる保安強化策として、船舶の周辺は立ち入り制限区域やフェンスが設けられています。宇品港の場合、制限区域から船舶への出入口は1か所で、そこでは警備員が身分証や通行証などで身元確認を行っています。

Q5どうして3か月近く停泊させているのか?
A 「オーシャンドリーム」が停泊している場所は本来、貨物船のスペースです。そのため、船側は1週間ごとに停泊延長の申請を出し、そのつど、広島県の許可を得ることになっています。貨物船が停泊することになれば、客船は場所をあけなくてはなりません。しかし、新型コロナウイルスの影響もあり貨物船の往来が激減したことや、中国のドック入りにストップがかかっているといった理由により、5月中旬まで停泊し続けることになりました。

Q6 停泊延長を拒否できないのか?
A 停泊を拒否する法律や規定がありません。そのため、積極的でないにしろ、受け入れることになります。

Q7 とはいえ、このままでいいわけではない。今後どうするのか?
A 5月11日の午後にいったん離岸します。貨物船が入港することになったためです。ただ、中国のドックに入る目途がついたわけではないということで、錨地(びょうち)という一時待避所のような場所に移動します。錨地は似島と金輪島の間にある峠島という小島の周りに停泊することになります。代理店によると、5月いっぱいは錨地にいることになりそうです。その間に次の停泊地を探すよう、代理店に要請しています。

※1 外国船籍の船舶は代理店を通じて、港湾管理者と日程調整などを行います。

「オーシャンドリーム」(ウィキペディアより)